鉄道マニアのこじらせ話

鉄道好きも知ってるようで知らない、そんな鉄道の技術をわかる範囲でご紹介したいと思っているブログです。もちろん、それだけではネタが尽きるので、鉄道技術や鉄道以外のお話もさせていただきます。

鉄道技術「第4回 界磁電流」

このシリーズも久しぶりですね。
ちょっとずつ進めていければと思います。

第3回の前回は直流電動機の制御方法についてお話ししましたが、これは電動機の電機子に流れる電流のお話をしたにすぎません。
今回はもう一つ存在する、界磁電流についてお話ししようと思います。

皆様は模型(ミニ四駆がいいですかね)に使用されるモーターの中に永久磁石が埋め込まれていることはご存じかと思います。
この永久磁石は界磁と呼ばれるもので、模型に使われるような小さなものであれば永久磁石を用いて発生させた磁界で電機子を回転させ、動力を得ることができます。
しかし、工業用の大きなものになるとそうもいきませんので、永久磁石の代わりに電磁石を用いることになります。
電磁石によって磁界を発生させるために流す電流を『界磁電流』といいます。

電車では電機子電流が抵抗制御によって全抵抗器を短絡し終わった後にこの界磁電流を強めたり弱めたりすることによって加減速を行います。
界磁電流を弱めれば加速方向、強めれば減速方向になります。
これは、第3回の中で触れた・・・
”電動機は回転すると内部で逆起電力が発生“
という部分に大きく関係してきます。
界磁が発生させる磁界によって回転することもできるし、逆起電力が生じ回転の障害となる部分も生み出してしまっているのです。
磁界を弱めれば回転の障害となる部分が減る、つまり逆起電力が低下することにつながり回転が増してくる、強めれば障害となる部分が増える、すなわち逆起電力が増え回転を増すことが困難になる(むしろ減らされる)というわけです。


直流電動機は第3回の電機子電流と今回の界磁電流を操ることで日夜走行しているということになります。

次回以降はいよいよ具体的な制御方法を見ていきたいと思いますので、よろしくお願いします。